So-net無料ブログ作成
検索選択

大森靖子×最果タヒが出産後の心境の変化や変わらない生き方について語る [気になるニュースコラム]

全然壮絶じゃない、誰にでもあるようなこと(大森)


――著書「かけがえのないマグマ」は、大森さんの激動の半生を詩人の最果タヒさんが小説という形で綴られていますが、そのようにお2人で制作されることとなった経緯を教えてください。
大森靖子 今回本を出さないかというお話しをいただいたときに、自分で書いてしまうと、どこかカッコつけてしまったり、ラッピングしてしまうところがあるなと思ったんです。もちろん嘘は書かないですけど、贅沢だと思いながら、もともとファンであったタヒさんに書いていただけないかなとオファーをしたんです。 最果タヒ 私もアルバム『魔法が使えないなら死にたい』が出たあたりから大森さんの音楽のファンで。とくに「新宿」という曲に魅かれて、ライブにも足を運ぶようになったんです。

――最初はお互いにファンという関係性であったと?
大森 はい。それで雑誌の対談が実現して、今回に至りました。
最果 でも、オファーをいただいたとき、正直びっくりしました(笑)。というのも、私は詩人なので、代弁する形で書くという仕事したことがなかったんです。しかも、編集の方から『ルージュの伝言』(松任谷由実)や『成り上がり』(矢沢永吉)のようなインタビュー本にしたいと言われて、それだったら私よりももっと向いている人がいるんじゃないかと思ったんです。私がやるならまたインタビュー本という形とはまた違うものにしなくてはと考えて、資料として大森さんの過去のインタビュー記事とかいろいろ読ませていただいたんです。そしたら、いろんなところで“みんなが生きてるってことを伝えたい”って大森さんが言っていて、それを読んだ瞬間にぱっと形が見えたというか、これはできる、やろう! って、冒頭の言葉が思い浮かびました。

――お2人でのやり取りはどのようにされていったんですか?
最果 大森さんが妊娠中にインタビューを行いました。ブログとか過去にインタビューで話されていた過去のお話を、インタビュー前にすでにある程度小説の形にまとめておいて、それを元にインタビューではそれぞれのできごとについて詳しく聞いたり、その前後について伺うことで、できごととできごとをつないでいったり、過去のブログの記事を見せて「これはどう意味ですかね?」って聞いてみたり。

大森 「あ~私もわからないです」って(笑)。

――え!?
最果 ブログって、大森さんの中で何か爆発的なものが起こったときに書かれているから特に、情報が点在しているんです。なので、2人で辿っていくというか、カウンセリングみたいな(笑)。1つひとつを線でつないでいくという感じでしたね。

――こんなに赤裸々に綴られていていいのかというぐらい、赤裸々に大森さんの壮絶な半生が綴られていますよね。
大森 全然壮絶じゃないですよ。誰にでもあるようなことだから。

――いやいや。例えば、父親との確執とか……ひた隠しにしたいこともサラリと描いているじゃないですか。
最果 それは大森さんがサラリと喋っていたので。基本的に、大森さんがその事柄に対してどれくらいのテンションでいるのか、というのは描写のトーンでも反映させたかったので。
大森 そもそも知られたくないこともないし、自分の一部だけでどうにかできる才能がないので、全部でやらないと手数が足りないと思って。それで包み隠さずしゃべっちゃったんですけど(笑)。むしろ私は何もないな、普通だなって。
最果 大森さんは自分の人生を生きていて、そこを特別視していないし、壮絶だと本人が思っていないからこそ、私もドラマティックに書かないように意識しました。

――著書からも感じられたのは、大森さんは、正直で、まっすぐな方だな、と。
大森 魂は超オールドタイプの人間なんで(笑)。
最果 他人に正直ではなく、自分に正直なんですよね。

スポンサードリンク





今しかないからやるって感じがずっと大森さんにはある(最果)



――いろんな誤解を受けたり、心がポキッポキに折られるようなことがあっても、大森さんは常に全力で、逃げないですよね。
最果 誤解をされてもそこで考え方を変えたり、言い訳したり、寄り道したり、自分を修正するというより、もう一歩どう進もうかってことしか考えていないんですよ。過去を撤回するのではなく、それを受け止めて次どうしよう? って。その場しのぎで自分をごまかしたりしないんですね。普通、人の人生を本にしようとすると辻褄が合わなくなるんですけど、大森さんの場合、全部の出来事を入れても、ずっと生き方が変わっていないから、辻褄が合うんですよ。
大森 (他人事のように)そうなんだ~。それが正しいのか間違いなのか私にはわからないですけど、昔から確固たる自信だけはずっとあったんですよね。 最果 大森さんが峯田和伸さん(銀杏BOYZ)や道重さゆみさんがどうして好きなのかという話をしていたときに、「理想を作ってそこに無理矢理自分を当てはめている人だから」って言っていたんですが、大森さんってその真逆といいますか。理想に自分を合わせていくのではなく、大森さんはそこを破棄して、自分はここにいて次こっちにいくという、ずっと現実を見ている感じなんですよね。でも、現実をここまで見ると、逆に現実離れするんだなって(笑)。
大森 私も対談中に思いましたもん、なるほどね~って(笑)。
最果 でも、私が決めつけていないか心配で。
大森 むしろ最果さんすごいな~って、さすが頭がいい人は違うなって(笑)。
最果 いやいや。とにかく大森さんは、中途半端なところがないんですよ。

――10か0、どちらかですよね?
最果 そうそう。
大森 でも、なんで私は10か0なのか、5にできないのはどうしてだろう? ってずっと思っていたんです。

――それが最強の武器であることを著書を通してご自身で改めて知ることができたのでは?
大森 そうですね。逆手にとるしかもうないぞって気づいた時期があって(笑)。そこからいろんなことがうまくいきだした気がしますね。でも、10か0って結構疲れるんですよ。さすがにもう、大丈夫です。

――そういった大森さんの環境、心境の変化が事細かに綴られていると同時に、“生きている”という感覚、大森さんの熱量が伝わってきました。
最果 最初に「この本で何か言いたいことはありますか?」って聞いたときに、「ない」って言われて(笑)。大森さんは、みんなの中に歌を入れていく感じの人だから、自己表現とはちょっと違うんですよね。言いたいことがあるわけではないというか。でも、それが私にとっては心地よくて。
大森 (笑)
最果 言いたいことがない、というのも、大森さんはやるべきこと、やりたいことを音楽ですでに全力でやり続けているからなんだと思います。本では大森さんの人生を振り返るということだけは決まっていたのですが、正直、私は音楽を単体で聞いていたいタイプなので、それを作った人の人生に対してあまり興味がなくて(笑)、それを形にする意味ってなんだろう、ってずっと思っていたんです。でも、「マジックミラー」やほかの楽曲を通して、みんなの人生を肯定してきた大森さんが自分の人生をまず伝えることで、テレビの中やステージの上だけの人ではなく、あっこの人も生きてきたんだ、生身の人間なんだというのをここで1個ポンって表せるものにできたら、誰かにとってとても大切な本になるのかなって思ったんです。だから、物語とか歴史的な感じではなくて、そこにいます! ぐらいの。

――いました(笑)。発売されてから1ヶ月が過ぎましたが、反応はいかがですか?
最果 この本を読んで「大森さんのことがもっと好きになりました」っていう言葉をたくさんいただいて、すごく嬉しかったですね。
大森 ビックリしました。私を褒めるというよりは、明日も頑張れると思ったとか、肯定されていると思ったとか、読んでくださったかた自身の人生に何かしらの影響を与えられているのかな? て。亀井絵里ちゃんが、卒業する時のコンサートツアー(2010秋~ライバルサバイバル~)の1曲目「そうだ!We’re ALIVE」で<平凡な私にだって出来るはず>という歌詞を歌っていたんですよ。亀井絵里ちゃんは平凡じゃない天性のアイドルだと思っていたからかなり衝撃を受けたんですけど、でもそうだよね平凡な私にだってできるはず! という気持ちでオーディションを受けてアイドルをやってくれたんだよねと思って。それと似たふうに思ってくれている感じがあって、この本が読んでくださった方たちのいい起爆剤になったらいいなと思いますね。でも、これを読んで変わりましょうってことを伝えたいんじゃなくて、もともとあったものに対して、変わらなくてもいいんだよ、そこが面白いんだから、そのままで大丈夫なんだよってことを伝えられたらいいなと思います。
――ちなみに「かけがえのないマグマ」というタイトルにした理由は?
最果 ブログを読んでいると、“今はかけがえのない季節”って言葉が出てきていて。でも、大森さんはその時だけでなく、常にかけがえのない季節を生きているなって思ったんです。だからその言葉を使ったタイトルにしたいな、と思って、大森さんに相談したら「マグマ」って返ってきて、すごくぐっとくるタイトルになりました。
大森 タヒさんの文章ってカタカナと漢字とひらがなのバランスがいいんですよ。私もそれを意識しようと思って、かけがえのないのあとは絶対カタカナだろうって。
最果 逆算的にやっていたんだ。それで「マグマ」だったら、吐いてる感じがいいなと思ったので、「“激白”にしましょう」って。お互いに反応し合って作ったタイトルだったっていうのを今、知りました(笑)。

――まさにすべてを集約しているタイトルですよね。
最果 「かけがえのない季節」って言葉がブログに出てきたのは、夏フェスに出演しているときだったんですね。それを読んだとき、すごく戦っている感がしたんです。
大森 正直、ものすごく出たくなくて(苦笑)。私は弾き語りだからつねにひとりだし、ほとんどが私のことを知らない人、ジャンルも違うから、毎回戦争、織田信長の気持ちで(笑)。どうやって自分の陣地を作って、ここから回り込んだらここは私の陣地になるからこの人に聴いてもらえるんだって、ひたすら走り回っていましたね。
最果 今しかないからやるって感じがずっと大森さんにはあるんですよ。

子供が生まれたことで、自分は絶対に生きなくちゃいけないと思えるようになった(大森)



―― 一瞬一瞬を無駄にしないですよね。
大森 やるべきことが降ってくるんですよ。高校のときとかはそれがあるのがすごい嫌で、なんで私の前にはいつも問題が立ちはだかっているんだって、何もない時期がないんです。でも、それが天命だと思ってやるしかないなって、今は思えるようになったんですけど。
最果 大森さんはすごい生き急いでる感がありますよね。
大森 それまでは20代で自分は死ぬって勝手に思い込んでいたんですが、子供が生まれたことで、自分は絶対に生きなくちゃいけないんだって思えるようになったんです。
最果 大森さんはいろいろな感情を抱きながらも結構客観視をされていて、私の中で台風みたいな人だなって印象が強いんですけど。
大森 (笑)
最果 真ん中に動かない歌というものがあって……台風の目みたいな、そこがずっとぶれないし、そこにはあまり理屈というか、こう思うからこうするといった言い訳をつけることも全然なくて。いろいろ波乱万丈的に見えるけど、すごいフラットでプレーンな青春のお話だなって、この本を書き終わって爽やかな気持ちになったんですよね。

――純粋無垢そのものといいますか。
最果 いろんな人生を経験している人が読んでも何か共鳴する部分があるというのは、そういう純粋さがそこにあるからなんだろうなって。ど真ん中なんですよね。
大森 友情、努力、勝利のような『週刊少年ジャンプ』(集英社)っぽいのかも(笑)。
最果 この本は大森さんのファンの方はもちろんですけど、大森さんのことを知らない人が読んでも面白いように作ったつもりなので、この本をきっかけに大森さんの音楽に触れてみようかなって思っていただけたら嬉しいです。
大森 (ポツリと)自分で作る作品が好きなんですよね……あっ言っちゃった(笑)。

――むしろそれって一番大事なことですよね。
最果 大森さんの場合、自己陶酔するのではなく、客観視しながらも、プライドを持ってやっているところがすごく好きだし、共鳴もしますね。
大森 私はドライブかかる自分を本当に止められなくて。せっかく大森靖子のことを好きになってもらえたのに、もっと自分を大事にしろよって落ち込むんです。
最果 ファンの人たちはそれをも透かしてるから(笑)。それが大森さんの可愛げになっているというか、いい意味で芸能人っぽくないんですよ。自己演出がないから、安心感があるんですよね。

――確かに。では、最後に今後のお2人の予定についてお聞かせください。
大森 もうすぐアルバム『TOKYO BLACK HOLE』が発売になって、初回盤には、最近のことを自分の言葉で書いた本もついています。このアルバムに入っている曲を利用して、ライブをして、いろんな人とまた通じ合っていけたらいいなと思います。
最果 私は先日「渦森今日子は宇宙に期待しない。」という青春小説を出版しました。その帯文を大森さんに書いていただきまして、ぜひそちらも含めて見ていただけたらと思います。
FX

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。